Daytona675Rの整備録

やった作業を記録

貧乏整備と外車の洗礼

なんやかんやと長距離ツーリングを重ねた結果、納車からそれほど経ってないのにフロントブレーキが微かに鳴いているような…

 

 

無理なブレーキングをしたわけでもないし、

もともと柔らかめのパッド付けてたのかな?

兎にも角にも、様子を見てみることに。

 

 

f:id:kyamrun:20191029004800j:image

 

…まだいけそうな気もする。

しかしダストも多いし、なにより柔らかい

パッドだったらすぐにダメになってディスクを

傷つけそう。ここはひとつ、交換に向けて

一度バラしておくか。

 

というわけで、以下のものを用意。

f:id:kyamrun:20191029004951p:image

このほか、レンチソケットアダプタ(12.7-9.5)、M8の六角レンチソケットをケーヨーデーツーで購入。ソケット類だけで2000円近くした。需要があるサイズのくせに足元見過ぎだよなぁ。

 

 

f:id:kyamrun:20191029005336j:image

洗車も兼ねてフクピカも。

 

バイクのブレーキをあまり知らない人は

パッドとかディスクとか言われてもよく

わからないと思いますので一応解説すると、

 

バイクのタイヤホイールの真ん中に円盤が

ついてると思うんですが、これがブレーキディスク。

 

このディスクをパッドで挟む装置がブレーキキャリパー、ブレーキキャリパーのなかでパッドを押すのがブレーキピストン。

 

つまり、チャリと違ってバイクのホイールを直接こすって止めるのではなく、ホイールにガッチリ固定した円盤を、キャリパーの中にあるピストンを通じてパッドで挟むことでブレーキしてるんですね。

f:id:kyamrun:20191029010016j:image

 

このディスクが二枚ついてるのがダブルディスク、一枚はシングルディスク。

 

パッド云々言ってるのは、このディスクに押し付けるブレーキパッドのこと。これは柔らかめの鉄粉を固めてできているようなもので、ブレーキを使えば使うほどすり減っていくから、交換が必要になるってことですね。

 

んで、パッドの交換は目ですり減り具合を見て替えるのがいちばんなんですけど、ちゃんと点検しない僕みたいな奴のためにすり減ってきたりゴミが溜まったりすると キーーーーッ ってなるようになってたりするわけです。

 

今回はパッドはまだギリ持ちそうな感じなんですけど、随分ブレーキダスト(ゴミ)がたまってたので、そのせいかなと。海辺や雨の中を走ったからサビも心配。

 

 

具体的にどういう作業をするかというと、

今回はパッドを替える前の予行演習ということで、とりあえずパッドを外して清掃、構造理解を深めていこうと、そういう主旨です。

 

さてさて、まずはボルトを外します。

f:id:kyamrun:20191029010546j:image

大きいなぁ

差し込み角はM8でした。

 

ブレーキディスクに傷がつかないようボロクズになったフクピカをかぶせて、キャリパーを外します。

f:id:kyamrun:20191029010705j:image

ディスクを傷つけないように

ディスクとかと平行にズズズっ…と引っ張る

 

f:id:kyamrun:20191029010729j:image

とれました。

 

 

そしてそして。

だいたいのパッドは、キャリパーに

パッドピンというピンでとまっています。

ピンを抜いてあげれば、パッドもずるっと

抜ける仕組みなんです。

 

さて、ピンを抜きますよ。

f:id:kyamrun:20191029010948j:image

ピンを…

 

ピン…

 

ピン、無ェ。

 

 

しばらく固まってしまいました。

あれ?ピンないよ?

今まで触ってきた国産車(安くて不人気)は

誰でもわかるピンが付いてたのに…

 

ない😅

 

どうやら外車さまであるデイトナ

付いているお高いブレンボのキャリパーは、

中の突起にパッドが引っかかるように

なっていて、ピンが存在しないようです。

 

これはつまりどういうことかというと…

f:id:kyamrun:20191029012151j:image

極限までパッドを使い切るか、

中に見える筒状のもの(ピストン)を

中に押し戻さなければ、パッドを変えられない

ということなんです。

 

もちろん、パッドを使い切るということは、

下手をすればディスクにガリガリと傷をつけるということ。

そんなのは開発陣は想定してないでしょう。

 

つまり、ピストンを戻さないといけないのです。

 

戻せばいいじゃん!と思われる方も

いらっしゃるかもしれませんが、

このようなカスが溜まった状態で

ピストンを無理やり戻すと、ピストンの

向こう側にあるブレーキフルード

ピストンを動かすための油圧用の油が

漏れ出してしまうのです。

 

ピストンにはピストンシールとピストンリング、キャリパーにはダストシールという

ゴムの輪っかが付いていることがほとんど。

ここれが油圧用の油をせき止めてくれて

いるんです。これがまた結構なお値段で…。

 

できれば買いなおしたくない。でも、

ここで無理やりピストンを戻せば、

シールがガリガリになって、

すぐさま油が漏れ出すことでしょう。

 

油が漏れるとブレーキはきかなくなり、

僕はあの世行き、というわけですね。

 

もうお分かりでしょうけれど、

ブレンボさんは、パッドを替える時は

ピストンリング等も替えることを前提で

作ってあるんです。

つまり、僕のような貧乏くさいライダーが

せっせとパッドだけを外してチマチマと

ピストンについたダストを洗い、

シールが傷つかないようネチネチと押し戻すことは想定されていないということです。

 

 

…。

 

 

 

とりあえず、目に見えるところだけ真鍮ブラシで掃除して戻すことにしました。

f:id:kyamrun:20191029012138j:image

 

ブレーキキャリパーの締め付けトルクは

レース仕様なので40n。トルクレンチでキチンと計ります。

 

f:id:kyamrun:20191029012209j:image

 

無事??

装着完了。

多少ダストは取り除いたので、鳴きはおさまりました…。

 

ごめんね、デイトナくん。

パッドすり減って買うまでもう少し辛抱しててね。

 

おわり